若者のゴルフ離れとその先にある未来

公開日:2025/10/15  

若者のゴルフ離れ近年、若者の間でゴルフ離れが進んでいるといわれています。かつては社交やビジネスの場として定着していたスポーツ「ゴルフ」ですが、価値観やライフスタイルの変化により参加者は減少傾向にあります。そこで本記事では、なぜ若者がゴルフから離れているのか、その背景と将来の展望について見ていきましょう。

ゴルフをする若者は少数派?現状を読み解く

若い世代のゴルフ参加状況について調査を行ったところ、約7割が「ゴルフをしたことがない」と回答しています。つまり、多くの若者にとってゴルフはまだ身近な存在ではないといえるでしょう。一方で、現在ゴルフを楽しんでいるのは団塊の世代が中心です。これまでゴルフ人口の大きな割合を占めてきた彼らも、2025年には全員が75歳以上の後期高齢者となります。

そうなると、体力や健康の問題からコースを離れる人が増え、結果的に業界全体に大きな影響を与える可能性が高いと考えられています。若い世代のゴルフ経験が少ない現状と、支えてきた世代の引退が重なることで、ゴルフ界の今後に注目が集まっているのです。

若い世代がゴルフを遠ざける理由とその背景

ゴルフは幅広い層に親しまれてきたスポーツですが、若者からは「ハードルが高い」と思われることも少なくありません。以下で詳しく見ていきましょう。

お金がかかると感じる

若者にとってゴルフは、最初の一歩からお金がかかるスポーツという印象が強いです。コースを回る費用に加えて、練習場の使用料や交通費、ラウンド後の食事代なども積み重なります。「そのお金があれば友人と食事を楽しみたい」「旅行に行きたい」といった声も多く、優先順位はどうしても他のことに傾きがちです。加えて、社会人になりたての時期や学生のうちは自由に使えるお金が限られており、ゴルフにかける予算を確保するのは難しいのが現実です。そのため興味を持っていても、なかなか挑戦できない状況にあるといえるでしょう。

道具や環境のハードル

ゴルフはクラブやシューズ、ウェアなどをそろえる必要があり、その準備の大変さが若者にとって大きな壁になっています。特に初心者は「どんな道具を選べばいいのかわからない」と感じやすく、結局手を出せないまま終わってしまうケースも目立ちます。さらに「ルールが複雑そう」「ゴルフ場が遠い」「朝早い集合は無理」といったイメージも根強く、始める前から尻込みしてしまう人も少なくありません。ゴルフに慣れている人なら当たり前に感じることも、未経験者にとっては大きなハードルとして立ちはだかっているのです。

一緒に楽しむ仲間がいない

ゴルフは一人でも練習できますが、実際にラウンドするには数人でプレーするのが一般的です。そのため「一緒に行く人がいない」と感じる若者は少なくありません。友人や同僚にゴルフ経験者がいなければ誘う機会もなく、結果的に自分だけでは始めにくいと感じてしまいます。中には「少し興味はあるけれど、周りが誰もやっていないから続けられなさそう」と思う人も多く、環境に恵まれないことでスタートを切れない例もあります。仲間づくりが難しい若い世代にとって、これは大きな心理的な壁になっているといえるでしょう。

ゴルフの未来を考える!世代交代と新しい可能性

ここでは、これからのゴルフ業界が直面する課題と未来への可能性について紹介します。課題は多いものの、新しい工夫や取り組みによって前向きな展開が期待されています。

高齢化によるゴルフ人口の減少

現在、ゴルフを支えているのは団塊の世代が中心です。しかし2025年以降は80歳を迎える人も増え、体力や健康の問題でコースを離れる人が目立つようになるといわれています。さらに、自動車免許を返納すると郊外のゴルフ場へ行けなくなり、結果的に続けられなくなるケースも少なくありません。実際に「地域のコンペが成り立たなくなった」「仲間が減ってきた」という声もあり、業界にとって高齢化の影響は避けられない課題となっています。

ゴルフ場を取り巻く環境の変化

今後5年のうちに、一部のゴルフ場は集客が難しくなり閉鎖に追い込まれるのではないかと懸念されています。気候変動の影響で、以前のように快適な環境を維持することが難しくなってきているのも大きな問題です。自然環境に依存するスポーツだからこそ、今まで以上に工夫が必要です。

若い世代への期待

これからは若い世代を呼び込む工夫が求められます。費用を抑えた料金設定や、初心者でも安心して使える道具のレンタル、車を持たない人でも通いやすいアクセス改善など、ハードルを下げる工夫が効果的です。すでに女性ゴルファーが増えているという前向きな兆しもあり、世代交代が進む中で新しいプレイヤー層が広がる可能性は十分にあります。ゴルフが再び多くの人に親しまれるスポーツになるよう、これからの工夫に期待が寄せられています。

まとめ

ゴルフは長らく団塊の世代を中心に親しまれてきましたが、若い世代にとってはまだ身近な存在とはいえず、プレイヤー数は少数派にとどまっています。費用の負担や道具をそろえる手間、交通の不便さなど、始めるまでにいくつもの壁があるのも事実です。しかし近年では、女性や初心者の参加が少しずつ増え、レンタルサービスやアクセス改善など新しい取り組みも広がりつつあります。これからは世代交代が進むなかで、ゴルフがどのように若者にアピールし、新しい文化として根付いていくかが大切になるでしょう。

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